子どもの歯をフッ素でむし歯から守ろう

自然が教えてくれた、みんなのためのむし歯予防法

20世紀前半に、適量のフッ素が含まれる飲み水で生活している住民はむし歯が少ないことが明らかになりました。
この事実から適量のフッ素は、むし歯予防に効果的なことが判りました。

むし歯の発生メカニズム

どうしてむし歯になるの?

甘いものを食べるからむし歯になるわけではありません。
4つの条件がそろった時にむし歯になるのです。

  • むし歯になりやすい質の歯
  • 歯垢を作りやすい糖分
  • むし歯菌(ミュータンス菌)
  • 食べている時間の長さと頻度

規則正しい食事と間食が多い食事との比較

食事をするたびにお口の中のpHは中性から酸性になり、歯の成分が溶け出します。しかし、唾液の力で、30分から40分くらいでpHは元に戻ります。
むし歯菌は、食べ物に含まれる砂糖や炭水化物を分解して酸を作りますが、唾液の中和する力でむし歯菌の増殖を防いでいます。
ところが、pHが回復しない間に間食が多くなると、酸性状態が長くなり、むし歯になりやすくなります。規則正しい食生活を心がけましょう。

  • 規則正しく食事をしているとき

  • お菓子などの間食があるとき

唾液の働き

唾液には大切な働きがたくさんあります。
よく噛んで食べると唾液がたくさん出て、予防につながります。

歯の石炭化作用

生えたての歯の表面は弱く、唾液に含まれるカルシウムやリン酸によって歯が強くなります。

歯の再石炭化

むし歯によって歯の表面が弱くなったところを、唾液中のカルシウムやリン酸を取り込み歯を元に戻します。

緩衝作用

飲食で中性から酸性に傾いたお口の中を唾液の力で中性に戻し、むし歯になりにくい状態にします。

抗菌作用

細菌の発育を抑制したり、殺菌する作用があります。

歯の保護作用

唾液中の成分により、歯を覆い保護します。

希釈・洗浄作用

口腔内を洗い流したり、殺菌の排除を促す作用があります。

フッ素の上手な使い方

フッ素に含まれる成分により、歯から溶け出したカルシウムやリンを歯に戻す「再石灰化」を促進し、歯質を強化する効果が期待できます。また、むし歯菌の繁殖を防ぎ、働きを抑制するともいわれております。特にむし歯になりやすい「乳歯」や「生え変わり直後の永久歯」など、お子さんの大切な歯のむし歯予防に適した処置です。フッ素の効果を維持するには、歯科医院での定期的なご利用が重要です。

フッ素の効果

  • 歯を強くします

  • 溶けだした歯質を戻します

  • 細菌の働きを抑えます

フッ素の安全性

フッ素は特別なものではなく、自然に広く存在しています。土の中、川、海の水などにも・・・。
私たちが口にする食べ物や飲み物にも微量のフッ素が含まれています。あらゆる栄養素や薬に当てはまることですが、少なすぎると効果はあがらず、多すぎると害なります。適量を守って正しい使い方をすれば問題ありません。

健康な歯は子どもたちの元気の素です

お口の健康づくりに重要な役割を演じているフッ素は知識と正しい使用方法を守れば安心で効果の高いむし歯予防法です。世界のむし歯予防におけるフッ素利用は常識になっています。上手にフッ素を使って、大切な歯をむし歯から守りましょう。